歯医者の集まりで、歯科医師同士で話をしていると必ず出てくる話題で、流行っていない歯科医院が患者さまに前の医院の治療を悪く説明して、自分の歯科医院に通ってもらおうとする歯科医院の存在です。
意図的に前の治療をした歯科医院を貶めるような説明をして、患者さまが不安になるように誘導して自分の医院の患者にさせようとする流れは、悪徳宗教の勧誘の流れとダブって感じられます。
患者さんが少ない医院では、早急に売り上げが欲しいから、患者さんを不安がらせるために自分の治療だけが正しくて、他の医院の治療は最悪のような説明をしているようです。
悪意のある説明に不安に感じた患者さんの一部は、一時的に歯科医院を変える可能性はありますが、そういう人間性の歯科医院に長く通院することはないでしょう。
「類は友を呼ぶ」ということわざがありますが、そういう人間性の歯科医院には似たような患者さまが集まるのだと思います。
医療に限らず、料理にしても建築などどんな職種においても、本当に自信のある人は他人の治療や料理も認める傾向にありませんか?!
心に余裕があるから、たとえ自分の方が優れていると本心では思っていても、わざわざ相手の足を引っ張るような幼稚な真似はしないものです。
人間の本能には「優越感に浸りたい!!」という本能があるような気がします。
「人より優れていたい、人から認められたい、自分は特別な何者かでありたい」等の欲求が心の奥には潜んでいます。
そういった承認欲求を満たすために、一番手っ取り早いやり方が他人をけなすことです。
周りをけなして周りの人の足を引っ張って、他人を自分よりも下に落とし込めれば、自分の優越感は一時的には満たされます。
しかしこのやり方では、24時間自分の周りの人間の悪口を言い続けなければなりません。
暴言を吐いたりマウントを取った時には、一瞬は優越感を感じられますが、これは覚せい剤や麻薬などと同じように一時的な快楽です。
一時的な快楽のために多くのものを失い、永遠に成長することはなくなり周りから人が離れていきます。
他人を認める行為はしんどいです。悪口を言う何倍も努力が必要です。
しかし、他人を認める行為はしんどい分、積み重ねていけば「徳」になってきます。
本能的には「自分を認めてもらいたい」「自分は他人よりも優れていたい」と思っていても、やせ我慢をして、「自分を認めてもらいたい」からこそ他人を認めたり、「自分は他人よりも優れていたい」と思うからこそ他人も自分と同じぐらい素晴らしい、と理性的にコントロールすることで、優越感と劣等感の心のバランスが保たれるのではないでしょうか?!
劣等感の強い人は優越感の欲求も強い人です。
優越感も劣等感もバランスを取りながら生活していくのが幸せに生きていくためには大切です。