意志の力と当たり前の力

多くの人が「意志の力」を過大評価しているような気がします。
自分のことを「私は意志の強い人間だ!!」と思っている人は少ないのではないでしょうか?
自分が決めたことが守れなかったら「なんて自分は意志が弱いんだ!!」と落ち込むのではないでしょうか?
「自分が決めたことは必ず守る。周りに流されないで自分の意思を通せる。周りに関係なく正しいと思うことは遂行できる。」と言い切れる人は1%もいないように思います。
殆どの人は、「決めたことの多くは実行できないし、周りに流されるし、よくないとわかっていてもやってしまう」のではないでしょうか!?

「意志あるところに道は開ける」という名言はありますが、ここでいう「意志」とは、心に深く長く持ち続けられる意志のことであって、思いつきのような決断の意思ではないと思います。
「一念岩をも通す!」ということわざもありますが、強く持ち続けられる意志は不可能を可能にする力があります。

しかし、たいていの場合に、日常で安易にする決断には前記のような「岩をも通す意志」を伴わないので、実行できない場合が多くなり、自分の意志の弱さを嘆く結果になってしまいます。

本来「人間の意志が弱い」とすれば、実行するために大切なことは、実行するのが当たり前の環境作りではないかと思います。
スマホを意志の力で見ないようにすることは難しいですが、見るのが面倒な設定にしたり手元に置かないようにしたりすれば、意志の力は不要になります。
仕事を頑張ろうと決断するよりも、周りが頑張っている人でいっぱいの職場に勤務すれば頑張ることが当たり前になってきます。
当たり前と思って実行することには意志の力は必要ありません。
ダイエットにしても筋トレにしても、意志の力で継続するのは大変ですが、継続するのが当たり前の環境や、継続しなければならない環境に自分を放り込む工夫をすることの方がより確実だと思います。

頑張って何かをする努力をするよりも、頑張らなくても継続できる方法を頑張って考えることの方が大切だと思います。
何も頑張らない人はどうしようもないですが、頑張る意思があるのであれば、同じ努力をするのであれば、思い付きで行動するよりも、当たり前に継続できるための環境作りを一生懸命考えることの方がより確実なように思います。

 

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