これまでも何度か「余計なこと、おせっかい」についてコメントさせていただきました。
仕事において「余計なこと、おせっかい」なことをするには「思いとエネルギー」が必要だと述べてきました。
決められたことを行わなかったり、上司から言われたことをしなければ注意されます。
「言われたことをする、マニュアルを守る」のは当たり前のことなので、当たり前のことが出来なければ注意されるのは当然です。
「言われたことだけする」のにもそれなりのエネルギーを使用するのに、言われたこと以外のことをするには「思いとエネルギー」が必要になってきます。
ラーメン屋に行ってラーメンを食べただけで感動させようとするには、相当の味の違いを感じさせなければなりません。(99%の凡人には不可能です)
しかし、ラーメン屋で「まさかこんなサービスや気遣いをしてもらえるなんて!!」と思えることをしてもらえれば、お客さんは感動して評価してくれます。
彼氏とデートして映画を見たりカラオケに行っておごってもらったとしても、それで感動することはないでしょう。
なぜならそれらはすべて当たり前、想定内のことだからです。(笑)
人は「してもらって当然!」と思っていることをされても心は1mmも動きません。
給料日に給料が振り込まれて感動する人がいないのと同じです(笑)
給料日に給料が振り込まれるのは当たり前で想定内なのです。
逆に給料日に給料が振り込まれていなかったり、振り込み日が遅れれば怒りになります。
それは想定外、当たり前でないことが起こったので悪い方に心が動くのです。
就職して初めての時には、通帳に給料が振り込まれて感動した経験がある人も、それが当たり前になってくると給料が振り込まれても心は動かないのです。
初めてのデートなら、映画を見たりカラオケに行っただけで感動していたのが、同じことを繰り返していくうちに、それらの行為が当たり前、想定内のことになって心は動かなくなってしまうのです。
ラーメン屋でラーメンを食べたり、歯医者で歯の治療をしてもらうのは当たり前のことであって、お金を払っている以上、当たり前のことをしてお客さんから感謝してもらおうと思うのは図々しいことなのです。
「仕事をしているのだから給料をもらって当然だ!!」と思うのと同じように「お金を払っているのだからラーメンを食べたり歯の治療をしてもらうのは当たり前だ!」とお客さんが思うのも当然のことでしょう。
どうせ仕事をするのなら、「お客さんから喜んでもらいたい、感謝してもらいたい」と思いながら仕事をしている人が大半だと思います。
しかし、当たり前のことだけして「お客さんから喜んでもらいたい、感謝してもらいたい」と思うのは無理があります。
仕事をするにはいくつかのレベルがあると思います。
「お客さんから怒られたくない」という最低限のレベルから、「お客さんを感動させたい!」というレベルまで、どのレベルを目指して仕事するのかはその人の生き方に関係してくるのだと思います。
お客さんから喜んでもらいたければ、どれだけ「余計なこと、おせっかい」ができるかにかかっていると言っても過言ではないかと思います。
学生時代に先生から言われた言葉で今も心に残っている言葉があります。
「60点が合格ラインとされたテストで、100点を目指して勉強している人は80点を取ることが簡単なので不合格の心配をする必要はなくて、80点を目指して勉強している人はぎりぎりラインの60点を取ることが可能で、合格ラインぎりぎりの60点を目指している人はたいていの場合に、40点ぐらいしか取れなくて不合格になるものだ!」と言われました。
「お客さんを感動させたい!」と思って仕事をしている人がお客さんから怒られる可能性は限りなくゼロに近いですが、「お客さんから怒られたくない」というレベルで仕事している人は、往々にしてお客さんから怒られて嫌な気持ちになるものです。
私自身、学生時代に無駄な努力をしたくなくて、ぎりぎりの点数で試験をクリアしたいという考えからかなり痛い目に合ってきた経験があります。(笑)
「棒ほど願って針ほど叶う」ということわざがありますが、「大きな願いを持っていても、かなえられることがわずかである」という現実を考えると、目指す目標を大きく持つことが結果的に自分を守ってくれるように思います。